ワスレルカラカク

どんどん忘れてしまう日々のあれこれを綴ってみようというあやふやな試みです。

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「女子と鉄道」

女子と鉄道 女子と鉄道
酒井 順子 (2006/11/21)
光文社

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というわけで、「鉄子の旅」のあとにふさわしい一冊を選択しました。自然な反応です、ごくごく。

このタイトル、「女子とテツドウ」ですが、アクセントは「ツ」につくものと解釈しました。「テドウ」です。それは「華道や茶道に勝るとも劣らぬ、深い魅力がある」からなのです。つまり、ドウ、ドウ、と並び、テドウ。実は、ひっそりとあたりまえに女子の嗜みのひとつであったのかもしれません。メジャーではなくとも。

「鉄子の旅」で熱くなった鉄のようになってしまった私の背中を、「どうどう」と、或いはまた「落ち着いて、落ち着いて」とトントンしてくれた一冊でした。間違えないでください、急冷されたわけではありません。おかげで、おそらく、私の「鉄分」は一瞬にて使い切ってしまわれず、長く長く人生とともにあるのではないかと思われます。「鉄子の旅」で火をつけられて沸点に達し、この作品で弱火にされてじっくりぐつぐつ煮込まれるような感覚です。

著者が鉄道をこよなく愛しているということは、じんじんと伝わってきます。でも、とても静かな文体なのです(彼女の特徴なのかな?初読なのでわかりません)。とはいえ、くすりと笑わされる箇所や「そうそう!そうなんですよね!」的な興奮いや、シンパシィを感じさせる箇所はたくさんあります(彼女はひっそりと「シンパシィ」を感じることがよくあるようで、「私も仲間です!理解できます!」と声をかけないあたり、私もシンパシィを感じずにはいられません)。そして、やはり単純に、「うまいことまとめるよなあ」という感心もさせられます。エッセイストでありコラムニストなんだそうで、当たり前といえば当たり前ですか?

乗りたくて行っているのに、どうしても眠ってしまうというのは、実に良くわかります。鉄道で眠ることの幸せは、日常生活の癒しの部分でもあるわけです。わざわざ眠るために、急行ではなく各駅停車に乗ったり、遠回りしたり、一本電車を遅らせて角の席をキープしたりすることは、よくあることではないでしょうか。でも、わざわざ乗るために出掛けているのに眠るというのは、わざわざお金を払ってオーケストラの演奏を聞きにいっているのに眠ってしまうというのと似た贅沢です。見ていたいけれどここで眠るのはしあわせ、聞いていたいけれど今ここで眠るのこそ至福、そういうものです。視点は異なりますが、著者も鉄道好きとクラシック好きは通じるものがあると書いていました。

お話は鉄道の旅だけに留まりません。新幹線の顔についてのくだりは、同感!惚れました!でしたし、Suicaペンギンにずっと前から目をつけていらっしゃたこと(私もイラストレーターを探しましたから!)、あの可愛らしさを追求するあたりもうんうんと唸らされましたし、鉄道菓子についても、痴漢についても、女性専用車両にも、英国の駅にも、営団地下鉄の制服についても、「うんうんうんうん!」と膝を打つばかりでした。東京ステーションホテル、改装前に行っておきたかった…。でも改装したら行くぞ!

宮脇俊三さんの「時刻表2万キロ」、読んでみることにします。




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時刻表2万キロ『時刻表2万キロ』(じこくひょう2まんキロ)は、紀行作家宮脇俊三のデビュー作。1978年河出書房新社より刊行。同年の日本ノンフィクション賞受賞。鉄道を主題とした紀行|紀行文としては屈指の名作と言われている。作品概要中央公論社の役員で鉄道ファンであっ

文学・古いものから今まで 2007年10月04日(Thu) 12:45


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